江戸時代、刺身といえばかつおでした。刺身の代名詞だったんです。
特に初がつおを刺身で食べることはとても粋なかっこいいことでした。
初がつおとは4月から5月に水揚げされる 黒潮に乗り日本近海を北上したかつおのことで上りがつおとも呼ばれ、脂が少なく身がしまった淡白な味が特徴です。 上りがつおに対し下りがつおと呼ばれる旬の時期もあります。下りがつおは10月から12月に水揚げされる脂がたっぷり乗った濃厚な味わいでトロかつおとも言われます。
現在は下りがつおも人気がありますが、江戸時代はもっぱら初がつおに人気が集中していたようです。
粋なことが大好きな江戸っ子たちは先をあらそって初がつおを買い求めました。かつおのあらや骨を家の前に出して初がつおを食べた自慢をしたりもしたようです。
初がつおは一番高値のときは1尾2両くらいしていたそうで今の40万くらいになり、かなりの高級魚だったようです。
見栄っ張りな江戸っ子はどんな高値でも粋な初がつおを食べようとしたんですね。そんな様子を「女房を 質に入れても 初がつお」などと風刺をこめて詠まれたりしました。女房を質草にするとは、なんと無茶苦茶な・・・。
あまりの熱狂ぶりにとうとう幕府が初がつおの売り買いは4月1日からと法令を出してしまうほどでした。
「初物を食うと75日長生きする」といわれたそうですが、女房を質に入れてまで手に入れた初がつおはかえって寿命が縮まりそうな気がしますけども・・・。


