先日、まだ肌寒い風を感じながら歩道を歩いていました。すると電信柱の陰に紅くて丸いものがあるのがぼんやりと見えました。なんだろう、と思いつつそのまま何の気なしに歩いていました。
程なくしてその赤く丸いものに近づいたとき、思わず笑みがこぼれてしまいました。その紅く丸いものは丈 1m ほどの梅の木でした。満開の紅梅が咲いてたんです。その小さな木に不釣合いなほどたくさんの花がこぼれんばかりに咲いていました。視力の悪い私には、それが紅くて丸いかたまりにみえたんですね。
梅は百花の魁(さきがけ)といわれます。春を敏感に感じ、真っ先に咲く花という意味です。そんな季節の変化に正確に反応することから昔の人は梅の花が咲くのを農耕作業の合図にしていたそうです。また、そこから梅の花の開花によって春の訪れを知ることを梅暦(うめごよみ)と呼ぶようになりました。
私がみた梅は紅い花が咲く紅梅でしたが、梅には白い花が咲く白梅もあります。紅梅と白梅、どちらにも実はなります。紅梅のほうが赤くておいしそうな実がなりそうな気がしますが、紅梅の実は小さく苦味が強いためあまり食用には使われません。そのため梅酒や梅干に使われるのは白梅のものがほとんどだそうです。
梅の実が熟すころに降る雨を梅雨といい、これもまた梅が知らせる季節の変化ですね。
私が出会った背丈の小さな紅梅は満開の花で春の訪れを感じさせてくれました。そして花が散り、実がなって次の季節への変化を告げてくれるのでしょう。



