「いかなご」と聞いて「いかなごのくぎ煮」をすぐ連想する人は明石もしくはその付近の出身でしょう、たぶん。
いかなごのくぎ煮が食卓に上ると「あぁ、春が来たんだなぁ」と感じます。明石ではいかなごは春の訪れを告げる旬の魚なんです。
いかなごとはスズキ目イカナゴ科の魚で体は細い円筒形をしている魚のことです。地域によっては、小女子(コウナゴ)、カマスゴなどと呼ばれることもあります。
そしていかなごのくぎ煮とはいかなごの稚魚を佃煮にしたもののことです。佃煮にすると錆びたくぎのようになることからくぎ煮といわれるようになったようです。決してくぎを入れて煮るわけではないですよ。
3月初めにいかなご漁が解禁になり、市場に出回り始めると明石ではお母さんたちはこぞって生のいかなごを買いにいきます。生のいかなごはkg 単位で売っているんですが、大抵の場合は数kg を一度に買っていきます。 そして家に帰りつくやいなや、くぎ煮づくりを開始します。いかなごは鮮度が命。 どんなに腕がよくても鮮度が落ちてはおいしいくぎ煮はできないんです。
明石のお母さんたちは何日も大量のくぎ煮をつくります。 10kg 、20kg 炊く家庭なんてざらにあるんですよ。
この時期、町を歩いているとあちこちの家でいかなごのくぎ煮を炊いているのがわかります。だって炊いてる匂いがただよってきてるんです。 まだ寒風吹きすさぶ中でも、このにおいをかぐと春が来たことを実感します。
明石では、春はいかなごと共にやってきます。
あなたの町では何が春を運んで来ますか?


